シンガポールで子供の未来を考える|清水泰子の教育コラム #11

「英語ができなくてもインターナショナルスクールに入学できますか?」

これは、保護者の方から最も多くいただく質問の一つです。結論から言えば、多くの学校では英語が母語ではない子どものためのサポートが用意されています。ただ、「英語サポートがあります」という説明だけで安心するのは少し早いかもしれません。

多くの学校を訪問し、感じるのは、英語サポートの考え方や内容は学校によって大きく異なるということです。今回は、学校選びの際にぜひ確認していただきたいポイントをご紹介します。

英語サポート(ESL・EAL)は多くの学校にある

シンガポールのインターナショナルスクールには、英語を母語としない子どもたちが世界中から集まります。そのため、多くの学校で英語サポートが用意されています。

名称は学校によって異なり、ESL(English as a Second Language)やEAL(English as an Additional Language)などと呼ばれることが一般的です。ただし、大切なのは「英語サポートがあるかどうか」ではなく、「どのようなサポートなのか」という点でしょう。

学校によってサポート内容は大きく違う

サポート内容の違いはどのようなものなのでしょうか。

 学習レベルの違い

まず、入学・編入時に求められる英語力が異なります。アルファベットや基本的な英語から学べる学校もあれば、英語で行われる授業を理解できるレベルを求める学校もあります。それにより必然的に、初級者レベルからサポートを受けられるのか、ネイティブに至らない部分を補足するのかといったサポートのレベルが異なってきます。

学習方法の違い

サポートの受け方にも違いがあります。英語力が一定水準に達するまでブリッジングコースやファンデーションコースなどと呼ばれる別プログラムで学ぶ学校もあれば、通常クラスに在籍しながら、週に数時間だけ英語サポートを受ける「Pull Out(プルアウト)」方式を採用している学校もあります。放課後に補習として英語クラスを設ける学校もあります。

学習内容の違い

さらに、何を重視しているかも学校ごとに異なります。プレゼンテーションやコミュニケーションを重視する学校、リーディングやライティングに力を入れる学校、どのくらいの期間サポートを続けるのかなど、その方針はさまざまです。

例えば、娘が通う学校では、幼稚園では特別な英語サポートは設けず、アルファベットや発音の基礎となるフォニックスを通常授業の中で他の生徒達と共に学びます。小学校では通常クラスに所属しながら、英語(日本でいう国語)の時間にESLクラスで学習します。一方、中学以降は学習内容が難しくなるため、一定の英語力に達していない場合は、まず半年間の英語集中プログラムに参加し、その後メインクラスへ進みます。

このように、一つの学校でも学年によって英語サポートは異なるため、「英語サポートがある」だけでなく、その内容まで確認することが大切です。

英語以外にも確認しておきたい学校生活のサポート

「英語ができなくても大丈夫ですか?」という質問には、英語学習への不安だけでなく、「学校生活になじめるだろうか」という心配も含まれているように感じます。そのため、英語サポートとは別に、生活面のサポートも確認しておきたいポイントです。

例えば、日本人スタッフが在籍していたり、日本人生徒が比較的多かったりすると安心感につながります。また、多くの学校では「バディ制度」を導入しています。新入生一人に対して在校生が一人付き、教室やトイレの場所を案内したり、一緒に遊ぶ友達の輪に入れてくれたりと、学校生活に慣れるまでサポートしてくれる制度です。

こうした環境は、子どもの安心感にも大きく影響します。

年齢によっても学校選びは変わる

一般的に、小さい子どもほど学校選びの選択肢は広く、入学時に高い英語力を求められることが少ない傾向があります。一方、高学年になると受け入れ条件が厳しくなる学校もあり、年齢は学校選びの一つの要素になります。

ただ、高学年だから不利というわけではありません。母語での理解力や思考力が育っているため、効率よく英語を習得できる子どもも多くいます。

「幼いうちにインターへ入れなければ手遅れ」と焦る必要はありません。お子さんの年齢や性格、現在の英語力に合った学校を選ぶことの方が大切です。

まとめ 「英語サポートあり」だけで選ばない

学校選びでは、「英語サポートがあります」という説明だけで判断しないことが大切です。

入学時に必要な英語レベルはどのくらいか、どのような形でサポートが行われるのか、どんな力を伸ばすことを目的としているのか、そして、いつ頃までサポートを受ける想定なのか。

こうした点を具体的に確認することで、お子さんやご家庭に合った学校かどうかが見えてきます。

英語サポートの内容は学校ごとに大きく異なります。「ある・ない」ではなく、「どんなサポートなのか」という視点を持つことが、自分の子どもに合った学校選びへの第一歩になるでしょう。

この記事を書いた人
清水泰子(しみずやすこ)

シンガポール在住、3児の母。不登校の後、オーストラリア高校留学。大手日系・外資系企業を経て、現在はインター校ジャパンマーケットコンサルタント、海外教育コンサルタントとして活躍。

シンガポールからの国際教育紹介(清水泰子のInstagram)

シンガポールインター校情報交換「インターママ会」運営(Instagram)

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