シンガポールで子供の未来を考える|清水泰子の教育コラム #9

シンガポールのインターでは、親も子も日本より気軽に学校を変えています。家庭の事情、カリキュラムの違い、子どもの成長に合わせた環境選びなど、さまざまな理由で転校するケースを多く見てきました。私自身も、ごく最近、子供の転校を経験しました。

[シンガポールのインターでは転校が普通?前回の記事はこちらから]

とはいえ、実際に転校を進めてみると、学校探しや書類の準備、学年や学期の調整など、想像以上に手間がかかるということも実感しました。

そこで今回は、シンガポールのインター転校はどのように進むのか、学校探しから編入までの流れを、実際に動いてみて感じたことも交えながらご紹介します。

シンガポールのインター転校はどう進む?学校探しから編入までの実際

転校に向けていつ頃から動き出すべきかは、それぞれの家庭事情によりますが、私の周りではおおよそ3ヶ月から半年ほどの時間をかけて準備をするのが一つの目安となっているようです。「転校しよう!」と思い立ってから学校を絞り込み、手続きを完了させるまでには最短で3ヶ月程度が目安ですが、学年の切り替わり時期に合わせて計画的に進める場合は、半年程度の余裕があると安心です。

一方で、一部の人気校においては、ウェイティングリスト(空き枠待ち)に名前を載せて順番を待つ必要があるため、さらに長い月日を要することもあります。中には、学力重視の入学試験に備えて2〜3年前から準備を始める家庭も見受けられます。基本的には年度や学期の切れ目で動くケースが多いですが、学校探しから見学、申し込み、選考を経て編入に至るまでの流れを、まずは大まかに把握しておくことが大切です。

シンガポールのインターナショナルスクール探し方と選び方

シンガポールのインター校は入学基準がそれぞれ異なり、英語力や学年によって編入に制限が設けられていることもあります。そのため、たとえ今の学校に満足していても、常に「他にどのような選択肢があるのか」とアンテナを立てておくことは重要だと感じます。教育系の雑誌や、学校が主催するオープンハウス、合同説明会などを活用し、教育方針や学費の面から候補をいくつか持っておくことをお勧めします。

良さそうな学校を見つけたら、まずはウェイティング状況を確認します。人気校は「ずいぶん待つ」と耳にすることもありますが、その年の応募数や人種バランスの調整、兄弟枠の有無などによって、予想より早く空枠の連絡が来ることもあるようです。「どうせ無理だろう」と諦めるのではなく、まずはトライしてみる価値があります。

ただし、金銭的な準備には注意が必要です。インター校は編入時にも、申請料、入学金、デポジット、そして一学期分の学費など、学校により異なりますが、初期費用として数百万円単位のまとまった資金が必要になります。また、入学試験の有無も気になるところ。多くの学校では学力でふるいにかけるというよりも、その子の実力を見て英語サポートの必要性や適切なクラスを判断するための審査を設けている印象です。過去の成績表や推薦書、面接などを総合的に判断しているようですので、まずは気負わず、学校が求める審査内容を確認してみましょう。

インター転校で必要な手続きや書類は?

転校の手続きを進めるにあたっては、まず個別説明会などに参加し、学校側としっかり意思疎通を図ることから始まります。特に日本人の場合は、現在の英語レベルやこれまで受けてきたカリキュラムについて、学校側が詳しく知りたいケースも多いため、ご家庭の期待値と学校が提供するものを明確にするためにもしっかりとした相談を心がけたいものです。

実際の入学手続きは多くの場合オンラインで完結し、提出が必要な書類は以下であることが多いです。書類の一部は帯同ビザなどの取得時に揃えているものが多いので、比較的スムーズに準備できるはずです。

✔️ シンガポールの在留資格や出生証明、ワクチン記録など

✔️保護者の在留資格

✔️ 英文での過去3年分の成績表

✔️ 前の学校からの推薦書、在籍証明書

ここで気をつけたいのが、元の学校からの推薦書発行に時間がかかったり、退学届の提出期限が厳格に決まっていたりする点です。「いつまでに退学を伝えないと学費が返金されないか」という契約内容は学校ごとに異なるため、新しい学校の申し込みと並行して、現校の契約書もしっかり確認しておく必要があります。

学年や学期が違う場合の調整

シンガポールのインター校は、カリキュラムによって新年度の始まりがバラバラです。欧米系は8月、オーストラリアやシンガポール系は1月、そしてインド系は4月といった具合です。このため、転校によって履修済みのことを繰り返すことになったり、逆に一学年飛び級する形になったりと、年齢区分や学年の区切りが学校によって異なることに驚かされるかもしれません。

編入時にどのような学年配置になるかは学校側の判断に委ねられますが、学年や時期により、学習する単元にズレが生じることもあります。現在の学校で学んでいる内容と、新しい学校での進度のギャップをどう埋めるのか、どのようなサポート体制があるのかは、事前にしっかりと確認しておきたいポイントです。将来的な進路も見据えながら、長期的な視点で学年の調整を検討することが大切です。

シンガポールのインターで転校は普通のことだが、手間はかかる

シンガポールにおいて転校は一般的な選択肢ですが、だからといって決して「簡単なこと」ではありません。今の学校と比較して、転校先の何が優れているのかを再確認し、初期費用の準備から煩雑な書類の取り寄せまで、やるべきことは少なくありません。我が家の場合も、特に元の学校との銀行引き落とし契約を解除し忘れており、危うく次学年の学費が引き落とされるところでした!

毎日のルーティンや友人関係、先生とのコミュニケーションなど、環境がガラリと変わるのがインター校の転校です。手続きを完了させるまでも大変な道のりですが、転校した後も、親子で新しい生活に馴染むまでにはそれなりの時間とエネルギーが必要になります。それでも、その大きな変化を乗り越えた先には、子どもにとってよりフィットした学びの場が待っていることでしょう。その選択が正しいものであると信じて、一歩ずつ親子で歩んでいきましょう。

この記事を書いた人
清水泰子(しみずやすこ)

シンガポール在住、3児の母。不登校の後、オーストラリア高校留学。大手日系・外資系企業を経て、現在はインターナショナル校勤務。

シンガポールからの国際教育紹介(清水泰子のInstagram)

シンガポールインター校情報交換「インターママ会」運営(Instagram)

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